どっちがお得?今買うか頭金を貯めてから買うか
住宅は人生最大の買い物です。マイホーム購入には当然皆さん慎重になると思います。購入のタイミングは今すぐ買う方がいいのか、あるいは頭金を何年か貯めてから買うのがいいのかを悩まれている方は多いのではないでしょうか。
不動産購入のような人生における重要な決断は、個人の財政状況、市場条件、将来の目標に大きく依存するので一概にどちらがお得とは言えません。
それぞれのメリットとデメリットを比較して、ご自身の状況に合った方を選ぶのが賢明です。
またお客様との会話で「頭金を貯めれば貯めるだけ得になる」と考える方が意外と多いのですが、必ずしもそうとは限りません。
ここでは、家を買うタイミングを判断するポイントや、今買うか頭金を貯めてから買うかの選択肢のメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
家を買うタイミングの判断ポイント
1. 金利の動向
住宅ローンの金利は、住宅購入の大きな要素です。金利が低い時期は、ローンの総返済額が抑えられるため、経済的に有利です。しかし、金利は経済状況によって変動するため、住宅購入のタイミングを考える際には、現在の金利レベルと将来の金利動向の予測を考慮することが重要です。
2. 物件価格の動向
不動産市場は地域によって異なります。都市部では物件価格が高騰する傾向にある一方で、郊外では手頃な価格の物件が見つかることもあります。将来的な資産価値の見込みや、地域の開発計画なども含めて、物件価格の長期的な動向を把握することが重要です。
“また現在は全国で空き家対策への取り組みが進んでいます。これまでは空き家をそのまま残して住宅用地としておけば、固定資産税が減額される特例措置があったため、相続した家を空き家のまま放置する事例が多数発生していました。今後は倒壊の危険があるなど「特定空き家」に指定された空き家については、法改正により固定資産税が6倍になります。
”
今後はこの法制度の変更を受けて、空き家を売りに出す人も増えるかもしれません。このような法改正による不動産市場の動きにも注目すべきでしょう。
3. ご自身のライフプラン
住宅購入は、単なる資産形成だけでなく、ライフスタイルの選択でもあります。家族構成の変化、通勤や通学の便、地域コミュニティへの参加など、将来のライフプランを総合的に考えた上で、最適な住まいを選ぶことが大切です。
4. 家計状況
住宅ローンの返済は、多くの家庭にとって大きな負担となります。現在の収入、将来の収入見込み、その他の負債や支出を総合的に考慮し、無理のない返済計画を立てることが重要です。
今買う場合のメリットとは
今買う場合のメリット
賃貸物件に住んでいる場合、家賃は毎月の固定支出となります。しかし、住宅を購入すれば、家賃支払いは住宅ローンの返済に代わり、自己資産を増やすことができます。長期的に見ると、家賃の支払いを抑えることが可能です。
また今購入することで、より早くマイホームに住む夢を実現できます。自分たちの好みに合わせた改装や、家族との思い出を新しい家で早く作り始めることができるでしょう。
そして最も影響が大きいのが住宅ローンの金利上昇リスクの回避です。住宅ローンの金利は変動しますが、現在の金利でローンを組めば、固定金利など金利タイプによっては将来的な金利上昇のリスクを回避できます。これは長期にわたる返済計画を立てる上で大きな安心材料となります。
超長期固定金利型の金利水準推移では、借入期間20年超35年以内の金利は2020年2月には1.66%でしたが、2024年2月には3.19%となっています。今後の金利がどう推移していくかは不透明ですが、日銀が利上げに方針を転換した場合、今後金利は上昇する可能性が高いです。
参照元:りそな銀行ローン金利
今買う場合のデメリット
頭金が少ない場合、借り入れる金額が多くなるため、月々のローン返済額が高くなります。ローン返済額が高い=金利として支払う金額も大きくなりますので総支払額が高くなります。
また頭金が少ないと、返済総額が増えるだけでなく、返済期間も長くなる傾向にあります。これは、金利変動のリスクや、長期間にわたる返済の負担を意味します。
また今買う場合は現在の金利でローンを組むことになりますが、将来金利が下がった場合、より低い金利でのローンを逃すことになり、結果的に損をする可能性があります。
ただ金利が低くなった際には、借り換えを行うことができるので、金利が契約時よりも下がった場合には、借り換えや金利プランの見直しを行うことでこれも回避できます。
頭金を貯めてから買うメリット
頭金を用意することで、借り入れる金額が減少し、毎月のローン返済額を抑えることができます。これにより、月々の支払いで家計に余裕が生まれ、他の支出や投資にも資金を回せるようになります。
また返済額が少なくなれば、それだけ住宅ローンの返済期間も短縮されます。短い返済期間は、長期にわたる金利変動リスクを減らし、また早期に自由な資金計画を立てることが可能になります。
頭金を貯めてから買うデメリット
頭金を貯めるために住宅購入を延期すると、その間賃貸住宅での家賃支払いが続きます。この家賃は、資産形成には直接貢献しないため、機会損失となる可能性があります。また頭金を貯める期間が長引くと、市場状況が変わる可能性があります。住宅価格が高騰したり、希望の物件が品薄になるなどなかなか希望物件に出会えなくなるリスクもあるでしょう。特に人気のエリアや物件は、早い段階で売り切れることが多いです。
また頭金を貯めている間に、金利が上昇する可能性があります。結果的に高い金利でのローンを組むことになり、総支払金額が多くなることがあります。
住宅ローンシミュレーションで比較する
住宅ローンシミュレーションツールなどを活用して、それぞれの購入方法における毎月の返済額や総返済額を比較検討することをおすすめします。
ここでは一例として今購入する場合と、将来購入する場合の2ケースからシミュレーターを使って購入金額を算出してみましょう。
ケース1今、購入する場合
現在の年齢30歳とし、購入物件価格を2,800万円、自己資金を100万円と想定します。
ローン返済期間を35年、金利優遇適用時でローン金利1%としました。
ケース2将来、購入する場合
5年間毎月2万円貯蓄したとします。物件価格上昇率と金利上昇率も考えておきます。
もちろん5年間お家賃はかかりますので、家賃が月々8万円とした場合を想定しました。
それでは、どれくらいの差が出るのか見てみましょう
生活住居費総額を見てみると…
今、購入する場合は、3,440万円。 将来、購入する場合は、4,655万円。 差をみると、今購入するほうが1,214万円も得することがわかります。 (一日あたりに換算すると6,654円です)
また、65歳のローン残額を見ると、今購入する場合は0円ですが、将来購入する場合は536万円にもなります。
更に詳しく知りたい方は、お気軽に「スタイリッシュホーム」までご相談ください。